「久しぶりに連絡してきた友人から、いきなりビジネスの話を持ちかけられた」「『絶対に稼げる』と言われて商品を勧められたが、なんだか怪しい…」
このような経験をお持ちの方は決して少なくありません。それは恐らく「ネットワークビジネス」への勧誘だった可能性が高いでしょう。
ネットワークビジネスは合法的なビジネスモデルの一つですが、多くの人から嫌われ、敬遠される理由があります。本記事では、その理由を法律・心理・構造面から詳しく解説し、勧誘された際の適切な断り方や被害防止策もご紹介します。

大切な人間関係を守り、自分自身を守るために、ぜひ最後までお読みください。
ネットワークビジネスとは?基本的な仕組みを整理

まず、ネットワークビジネスがなぜ嫌われるのかを理解するために、その基本的な仕組みを整理しておきましょう。正しい知識を持つことで、適切な判断ができるようになります。
MLM・マルチ商法との違い
ネットワークビジネスは、正式には「マルチレベルマーケティング(MLM)」や「連鎖販売取引」と呼ばれます。一般的に「マルチ商法」という言葉でも知られていますが、厳密には以下のような整理ができます。
ネットワークビジネス(MLM)の特徴
- 商品やサービスの販売を通じて収益を得る
- 新規会員の勧誘により、その売上の一部を報酬として受け取る
- ピラミッド型の組織構造を持つ
- 特定商取引法に基づく規制の対象
違法なネズミ講との主な違い
- 実際に価値のある商品・サービスが存在する
- 商品販売による収益が主体である
- 適切な法的届出が行われている
この違いを理解することで、合法・違法の線引きが見えてきます。
特定商取引法での位置づけ(合法・違法の線引き)
ネットワークビジネスは、特定商取引法の「連鎖販売取引」として規制されており、以下の条件を満たせば合法的なビジネスとして認められています。
合法となる主な条件
- 実際に商品やサービスを販売している
- 統括者が行政への届出を行っている
- クーリングオフ制度が整備されている
- 誇大広告や不実告知を行っていない
- 書面交付義務を履行している
しかし、「合法だから安全」「合法だから問題ない」というわけではありません。法的には問題がなくても、実際には多くのトラブルや被害が報告されているのが現実です。
ピラミッド構造の概要
ネットワークビジネスの最大の特徴は、その「ピラミッド構造」にあります。
この構造では、上位の人間が下位の人間の売上から報酬を得る仕組みになっており、「勧誘すればするほど儲かる」という構造が出来上がっています。この構造こそが、後述する「嫌われる理由」の根本的な原因となっているのです。
ネットワークビジネスのピラミッド構造
※上位の人間が下位の人間の売上から報酬を得る構造
【関連記事】ネットワークビジネスの本質とは?合法性・収益構造・失敗理由を徹底解説
ネットワークビジネスが嫌われる7つの理由【統計と心理分析】

消費者庁や国民生活センターに寄せられる相談件数は年々増加傾向にあり、2022年度は約4,000件を超える被害相談が報告されています。なぜこれほどまでにネットワークビジネスは嫌われ、トラブルが多発するのでしょうか。
その理由を、実際の被害事例や心理学的な観点から7つに分析しました。
①勧誘がしつこく人間関係が壊れやすい
最も多く聞かれる不満が「勧誘のしつこさ」です。ネットワークビジネスでは、新規会員の獲得が収益に直結するため、勧誘する側は必死になりがちです。
よくある勧誘パターン
- 「久しぶり」を装って連絡し、会う約束を取り付ける
- 断っても何度も連絡を取ってくる
- 「あなたのため」「将来のため」と感情に訴える
- 断ると「なぜ信用してくれないのか」と責められる
このような勧誘を受けた人の多くは、「友人だと思っていたのに、ビジネスの道具として見られていた」と感じ、深く傷つきます。結果として、長年の友情が一瞬で壊れてしまうケースが後を絶ちません。
心理学的に見ると、これは「道具的関係」と「情緒的関係」の混同によるものです。友人関係は本来、利害を超えた情緒的なつながりですが、ネットワークビジネスの勧誘はそれを道具的な関係に変えてしまうのです。
②成功者がごく一部で稼げない人が多い
ネットワークビジネスでは「誰でも成功できる」「努力すれば必ず稼げる」と謳われることが多いですが、実際の統計は大きく異なります。
収益分布の現実
- 月収10万円以上を稼ぐ人:全体の3-5%程度
- 月収1万円以上を稼ぐ人:全体の15-20%程度
- 赤字になる人:全体の70-80%程度
ネットワークビジネス収益分布の現実
※圧倒的多数の参加者が満足な収益を得られていない現実
この数字が示すように、圧倒的多数の人が満足な収益を得られていません。にも関わらず、勧誘時には成功事例ばかりが強調され、失敗のリスクは軽視される傾向があります。
さらに問題なのは、稼げない原因を「努力不足」「やり方が悪い」と個人の責任にしてしまうことです。これにより、参加者は自分を責め続け、さらに深みにはまってしまうという悪循環が生まれます。
③高額商品・価値不明な商材の販売が多い
ネットワークビジネスで扱われる商品の多くは、一般的な市場価格と比較して高額に設定されています。これは、多層の報酬体系を維持するために必要なマージンを確保するためです。
よく見られる高額商品の例
- 健康食品:市場価格の2-3倍
- 化粧品:ブランド品以上の価格設定
- 浄水器:同等機能品の5-10倍
- 投資商材:効果の証明が困難な情報商材
これらの商品について、客観的な価値の証明や第三者機関による効果検証が不十分なケースが多く、「本当にこの価格に見合う価値があるのか」という疑問を抱く人が多いのも当然です。
消費者は「友人に高額な商品を売りつけられた」と感じ、騙されたような気持ちになってしまいます。
④ネズミ講との区別がつきにくく違法性を疑われる
一般消費者にとって、合法的なネットワークビジネスと違法なネズミ講の区別は非常に困難です。どちらもピラミッド構造を持ち、人を勧誘することで報酬を得る仕組みだからです。
区別が困難な理由
- 勧誘時の説明では合法性の根拠が不明確
- 「商品がある」だけでは価値の判断ができない
- 法的な届出状況を一般人が確認するのは困難1
- 過去にネズミ講として摘発された企業の存在
この曖昧さが、「怪しいビジネス」「違法な可能性がある」という印象を与え、社会的な信用を失う原因となっています。特に、過去に大きく報道されたネズミ講事件の印象が強く残っているため、構造が似ているネットワークビジネス全体にネガティブなイメージが付きまとっているのです。
【関連記事】ネットワークビジネスとマルチ商法の違いを徹底解説!合法と違法の境界線とは?
⑤誇大広告や過剰な夢のセールストーク
ネットワークビジネスの勧誘では、現実離れした成功談や過剰な表現が多用される傾向があります。これは参加者のモチベーションを高めるためですが、結果として「誇大広告」「詐欺的な勧誘」という印象を与えています。
よく使われる誇大表現の例
- 「月収100万円も夢じゃない」
- 「不労所得で自由な生活」
- 「誰でも簡単に成功できる」
- 「この商品で人生が変わる」
これらの表現は、特定商取引法で禁止されている「不実告知」や「誇大広告」に該当する可能性があります。しかし、グレーゾーンの表現も多く、法的な取り締まりが困難なのが現状です。
参加者がこのような「夢の話」に惹かれて参加した後、現実とのギャップに直面することで、「騙された」という感情が生まれ、ネットワークビジネス全体への不信につながっています。
⑥社会的信用が低く偏見を持たれやすい
ネットワークビジネスに参加していることが知られると、社会的な信用を失うリスクがあります。これは過去の事件や被害事例の積み重ねによって形成された社会的な偏見ですが、現実として存在する問題です。
社会的信用への影響
- 就職・転職時の不利益
- 銀行融資の審査への影響
- 友人・知人からの信頼失墜
- 家族関係の悪化
特に日本社会では「みんなと同じでいること」を重視する文化があるため、「変わったビジネス」をしている人への風当たりは強くなりがちです。この社会的な圧力が、ネットワークビジネス参加者を孤立させ、さらに深みにはまらせる要因にもなっています。
⑦消費者庁の被害相談件数が多く悪いイメージが強い
消費生活センターに寄せられる相談件数のデータを見ると、ネットワークビジネス関連の被害相談は一向に減少していません。
近年の相談件数推移(概算)
- 2020年度:約3,800件
- 2021年度:約4,100件
- 2022年度:約4,300件
- 2023年度:約4,500件
ネットワークビジネス関連被害相談件数の推移
3,800件
4,100件
4,300件
4,500件
※消費生活センターへの相談件数(概算)一向に減少していない現状
これらの相談内容は以下のようなものが多くを占めています:
主な相談内容
- 友人・知人からの執拗な勧誘
- 高額商品の購入を強要された
- 説明と異なり全く稼げない
- 辞めたいが辞められない
- クーリングオフの妨害
このような被害報告が継続的にメディアで取り上げられることで、「ネットワークビジネス=被害者を生み出すビジネス」というイメージが定着してしまっています。
ネットワークビジネスが嫌われる7つの理由まとめ
人間関係の破綻
しつこい勧誘により友人・家族との信頼関係が壊れる
収益格差の構造
成功者は極少数、大多数が赤字になる構造的問題
高額商品の販売
市場価格より高額で価値が不明確な商材が多い
違法性の疑い
ネズミ講との区別がつきにくく違法性を疑われる
誇大広告
現実離れした成功談や過剰な夢のセールストーク
社会的信用の低下
偏見を持たれやすく就職や融資に悪影響の可能性
被害相談の多発
消費者庁への相談件数が多く悪いイメージが定着
ネットワークビジネスが嫌われる構造的要因と心理的要因を解説

ネットワークビジネスが嫌われる理由を個別に見てきましたが、これらの問題はビジネスモデルの構造的な欠陥と、人間の心理的な傾向が組み合わさって生じています。
ピラミッド構造の「勧誘至上主義」
ネットワークビジネスのピラミッド構造では、「人を勧誘することが最も効率的な収益源」となります。商品を実際に販売するよりも、新しい会員を勧誘する方が大きな報酬を得られる仕組みになっているからです。
構造的な問題点
- 商品の価値向上よりも勧誘活動に注力する
- 長期的な顧客満足よりも短期的な会員獲得を優先する
- 「勧誘できない人は成功できない」という価値観の植え付け
この構造により、参加者は必然的に周囲の人間関係を「勧誘対象」として見るようになります。友人、家族、同僚など、すべての人間関係がビジネスの道具として扱われることで、本来の信頼関係が破綻してしまうのです。
信頼を損なう心理プロセス(身近な人を利用する)
人間の心理には「親しい人からの勧めは信頼しやすい」という傾向があります。ネットワークビジネスはこの心理を逆手に取り、最も身近で信頼できる人間関係を利用して勧誘を行います。
心理的操作のプロセス
- 信頼関係の利用:「友人だから」「家族だから」という信頼を前提とする
- 感情への訴求:「あなたの将来を心配している」という愛情を装う
- 社会的証明:「みんなやっている」「成功者がいる」という同調圧力
- 希少性の演出:「今だけ」「限定」という緊急性の創出
このような心理的テクニックにより、冷静な判断力が奪われ、本来なら断るような提案でも受け入れてしまう人が続出します。そして後になって「利用された」「騙された」と感じることで、強い嫌悪感が生まれるのです。
人間関係の圧迫と孤立化のリスク
ネットワークビジネスに参加すると、多くの人が人間関係の変化を経験します。それは決してポジティブな変化ではありません。
人間関係への悪影響
- 友人から避けられるようになる
- 家族から心配され、時には反対される
- 職場での立場が悪くなる
- 新しい人間関係も「勧誘対象」として見てしまう
この結果、参加者は徐々に社会から孤立していき、ネットワークビジネス関係者とのつながりのみに依存するようになります。これは「囲い込み」と呼ばれる現象で、カルト宗教などでも見られる典型的な支配構造です。
孤立した参加者は、ますますネットワークビジネスにのめり込むしかなくなり、抜け出すことが困難になってしまいます。
ネットワークビジネスに勧誘されたときの断り方【テンプレ集】

実際にネットワークビジネスへの勧誘を受けた時、どのように対応すれば良いのでしょうか。相手との関係性を考慮した3つのレベルの断り方をご紹介します。
勧誘への対応レベル別ガイド
※段階的に対応することで関係悪化を最小限に抑えられます
角を立てない断り方(例文付き)
まずは相手との関係を壊すことなく、やんわりと断る方法です。多くの場合、この段階で勧誘は止まります。
例文1:時間・余裕を理由にする 「○○さん、お話ありがとうございます。とても興味深い内容だと思うのですが、今は仕事や家庭のことで手一杯で、新しいことに取り組む余裕がありません。またタイミングが合うときがあれば、そのときは相談させてください。」
例文2:性格・適性を理由にする 「私は人とのコミュニケーションがあまり得意ではないので、このようなビジネスには向いていないと思います。○○さんのように積極的で社交的な方には良いかもしれませんが、私には合わないと思います。」
例文3:家族の方針を理由にする 「家族で話し合ったのですが、このようなビジネスには参加しない方針で意見が一致しました。家族の理解と協力が得られない状態では、うまくいかないと思いますので、今回は見送らせていただきます。」
これらの断り方のポイントは、相手や商品を否定せず、自分の事情や判断として断ることです。
法的リスクをやんわり伝える断り方
角を立てない断り方で引き下がってもらえない場合は、法的な観点を含めてより明確に断りましょう。
例文1:慎重さを強調する 「このようなビジネスについては、特定商取引法などの法的な規制もあると聞いています。私は慎重に検討したいタイプなので、まずは自分でよく調べてから判断したいと思います。もし参加を検討する時が来たら、その時は改めて相談させてください。」
例文2:第三者への相談を示唆する 「興味深いお話ですが、このような重要な決断をする前に、信頼できる人に相談したいと思います。弁護士の知人や消費生活センターなどで、法的な問題がないかどうか確認してからでないと、参加は難しいと思います。」
例文3:リスクへの懸念を表明する 「申し訳ないのですが、過去にマルチ商法関連でトラブルになった事例を聞いたことがあり、どうしても心配になってしまいます。もちろん○○さんが紹介してくださったものは違うと信じていますが、私としては慎重になりたいと思います。」
繰り返し誘われたときの最終手段
それでも諦めてもらえない場合は、明確に拒否の意思を示す必要があります。
例文1:明確な拒否 「○○さん、これまで何度もお誘いいただいてありがとうございます。しかし、私はこのビジネスには参加いたしません。これ以上お話を続けても、私の考えが変わることはありませんので、この件についてはこれで終わりにしていただけませんか。」
例文2:関係継続への意思と境界線の設定 「○○さんとは友人として良い関係を続けていきたいと思っています。しかし、ビジネスの話が続くようでしたら、お会いすることが難しくなってしまいます。友人としてお付き合いを続けるために、この話題は避けていただけませんか。」
例文3:法的措置への言及(最終手段) 「申し訳ありませんが、これ以上の勧誘行為は特定商取引法に抵触する可能性があります。私は明確にお断りしているにも関わらず、継続的な勧誘を受けることは迷惑行為にあたると考えます。これ以上続くようでしたら、然るべき機関に相談することも検討せざるを得ません。」
断る際の重要なポイント
- 録音や記録を取っておく
- 第三者の前で断る
- 書面やメールで断りの意思を残す
- 感情的にならず、冷静に対応する
トラブルに巻き込まれないための予防策と相談先

万が一、ネットワークビジネスに関わってしまった場合や、トラブルに巻き込まれそうになった場合の対処法をご紹介します。
契約前に必ず確認すべきチェックリスト
ネットワークビジネスへの参加を検討する際は、以下の点を必ず確認してください。
契約前必須チェックリスト
⚖️ 法的確認事項
💼 ビジネス内容の確認事項
🏢 勧誘者・組織の確認事項
⚠️ 重要:すべての項目がクリアできない場合は、契約を避けることを強く推奨します。
これらの確認を怠ると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。
クーリングオフ制度の使い方
ネットワークビジネス(連鎖販売取引)には、特定商取引法に基づくクーリングオフ制度が適用されます。
クーリングオフの基本情報
- 適用期間:契約書面を受け取った日から20日間
- 対象取引:入会金・商品代金・研修費など
- 手続き方法:書面による通知(内容証明郵便が確実)
- 効果:無条件で契約を解除し、支払済み金額の返還を求められる
クーリングオフ通知の例文
クーリングオフ通知書
下記の契約を解除いたします。
契約年月日:令和○年○月○日
商品名:○○○○
契約金額:○○○円
販売会社:株式会社○○○
担当者:○○○○
支払済み代金○○○円の返金を求めます。
商品は返品いたしますので、引き取りをお願いします。
令和○年○月○日
住所:
氏名:
消費生活センター・弁護士無料相談へのリンク
トラブルが発生した場合は、一人で悩まず専門機関に相談することが重要です。
トラブル時の相談先一覧
📞 消費生活センター
最優先契約トラブル全般に対応。最も身近で頼りになる相談先です。
🏛️ 国民生活センター
二次対応消費生活センターで解決困難な複雑な事案を扱います。
⚖️ 法テラス
法的対応法的な対応が必要な場合の総合案内窓口です。
👨💼 弁護士会無料相談
地域対応法的責任の追及や損害賠償請求を検討する場合。
📋 相談時の準備物
- 契約書や勧誘時の資料
- 支払い関係の書類(領収書、通帳記録など)
- 勧誘時の録音や記録
- 被害状況をまとめたメモ
公的相談窓口
法的相談窓口
- 日本弁護士連合会:https://www.nichibenren.or.jp/
- 法テラス:https://www.houterasu.or.jp/
- 大阪弁護士会 総合法律相談センター:06-6364-1248
相談時に準備すべき資料
- 契約書や勧誘時の資料
- 支払い関係の書類(領収書、通帳記録など)
- 勧誘時の録音や記録
- 被害状況をまとめたメモ
ネットワークビジネスを検討している人への注意点

もしあなたが現在ネットワークビジネスへの参加を検討しているなら、以下の点を慎重に考えてください。
「合法だから安心」とは限らない理由
「このビジネスは特定商取引法に基づいて運営されているから安心です」という説明を受けても、それだけで判断するのは危険です。
合法でも生じる問題
- 法的には問題なくても、実際には稼げない可能性が高い
- 人間関係の悪化や社会的信用の失墜リスク
- 高額な商品購入や継続的な費用負担
- 精神的なストレスや健康への悪影響
合法性は「最低限のルールを守っている」ことを意味するだけで、「参加者にとって有益である」ことを保証するものではありません。
長期的なリスク・社会的信用の低下リスク
ネットワークビジネスへの参加は、短期的な収益の可能性だけでなく、長期的なリスクも考慮する必要があります。
長期的なリスク要因
経済的リスク
- 初期投資の回収困難
- 継続的な商品購入負担
- 機会費用の損失(他の活動に使える時間の喪失)
社会的リスク
- 就職・転職活動への悪影響
- 金融機関での信用審査への影響
- 結婚相手やその家族からの懸念
心理的リスク
- 友人・家族との関係悪化によるストレス
- 期待と現実のギャップによる失望感
- 自己否定感や無力感の増大
代替の副業・ビジネスモデルの提案
もし追加収入や起業を考えているなら、ネットワークビジネス以外にも多くの選択肢があります。
リスクの低い副業選択肢
スキル活用型
- フリーランスとしての専門スキル提供
- オンライン講師・コンサルタント
- Webデザイン・プログラミング
投資・資産運用型
- 株式投資・投資信託
- 不動産投資(REITを含む)
- 副業としての小規模不動産運営
サービス提供型
- 地域密着型のサービス業
- オンラインショップ運営
- コンテンツ制作・販売
これらの選択肢は、人間関係を犠牲にすることなく、自分のペースで収益を追求できる特徴があります。
よくある質問(FAQ)
ネットワークビジネスに関してよく寄せられる質問をまとめました。疑問や不安の解消にお役立てください。
Q1. ネットワークビジネスは違法ですか?合法的なビジネスなのでしょうか?
+ネットワークビジネス自体は合法的なビジネスモデルです。特定商取引法の「連鎖販売取引」として規制されており、適切な届出や書面交付などの条件を満たせば法的に問題ありません。
ただし、以下の点にご注意ください:
- 合法でも問題が多い:法的には問題なくても、実際には稼げない人が大多数(70-80%が赤字)
- 違法なネズミ講との区別:一般消費者には判断が困難で、過去に摘発された企業も存在
- グレーゾーンの存在:誇大広告や不実告知すれすれの勧誘が行われることも
「合法だから安全」ではなく、参加前には慎重な検討が必要です。
Q2. 友人からネットワークビジネスに勧誘されました。関係を壊さずに断る方法はありますか?
+段階的にやんわりと断ることで、関係悪化を最小限に抑えることができます。
【第1段階】時間・適性を理由にする
「今は仕事や家庭で手一杯で、新しいことに取り組む余裕がありません。またタイミングが合うときがあれば相談させてください。」
【第2段階】慎重さを強調する
「このような重要な決断をする前に、信頼できる人に相談したいと思います。まずは自分でよく調べてから判断したいです。」
【第3段階】明確な拒否(最終手段)
「友人として良い関係を続けていきたいのですが、ビジネスの話が続くようでしたら、お会いすることが難しくなってしまいます。」
重要なポイント:相手や商品を否定せず、自分の事情として断ることが関係維持の鍵です。
Q3. ネットワークビジネスで本当に稼ぐことはできるのでしょうか?
+統計的には、満足な収益を得られる人は極めて少数です。
稼げない主な理由:
- ピラミッド構造により、後から参加した人ほど不利
- 市場の飽和により新規勧誘が困難
- 高額な商品購入義務により初期投資の回収が困難
- 人間関係の悪化により継続が困難
「努力すれば必ず稼げる」という謳い文句に惑わされず、現実的な判断をすることが重要です。
Q4. ネットワークビジネスの契約をしてしまいました。クーリングオフはできますか?
+はい、ネットワークビジネス(連鎖販売取引)にはクーリングオフ制度が適用されます。
🕐 適用期間
契約書面を受け取った日から20日間
📋 対象取引
入会金・商品代金・研修費など
✉️ 手続き方法
書面による通知(内容証明郵便が確実)
💰 効果
無条件で契約解除・支払済み金額の返還請求
⚠️ すぐに行動を:20日を過ぎるとクーリングオフができなくなります。不安な場合は消費生活センター(188)に即座に相談してください。
クーリングオフ妨害を受けた場合:企業側が妨害行為を行った場合、20日を過ぎてもクーリングオフが可能な場合があります。諦めずに専門機関に相談しましょう。
Q5. ネットワークビジネスとネズミ講の違いは何ですか?見分け方を教えてください。
+両者の主な違いは「商品の存在」と「法的届出の有無」ですが、一般消費者には判断が困難です。
⚠️ 注意すべきポイント
- 合法的なネットワークビジネスでも、実際には稼げない人が大多数
- 商品があっても、市場価格より異常に高額な場合は要注意
- 「絶対に稼げる」「リスクなし」などの表現は法的に問題がある可能性
- 不安な場合は、契約前に消費生活センターに相談することを強く推奨
まとめ|嫌われる理由を理解し、自分や大切な人を守ろう
本記事では、ネットワークビジネスが嫌われる7つの理由を詳しく解説してきました。
理由の要点整理
ネットワークビジネスが嫌われる主な理由
- しつこい勧誘により人間関係が破綻しやすい
- 成功者は極少数で、大多数が稼げない構造
- 高額商品の販売による経済的負担
- ネズミ講との区別がつきにくい構造的問題
- 誇大広告や現実離れした成功談の多用
- 社会的信用の低下と偏見のリスク
- 継続的な被害相談と悪いイメージの定着
これらの問題は、ビジネスモデルの構造的な特徴から生じるものであり、個別の企業や商品の問題を超えた本質的な課題です。
今すぐできる自己防衛のポイント
身を守るための具体的行動
情報収集を怠らない
- 勧誘を受けたら、まず冷静になって情報収集
- インターネットでの評判や被害事例の確認
- 消費生活センターでの事前相談
周囲との相談を大切にする
- 家族や信頼できる友人への相談
- 利害関係のない第三者の意見を求める
- 一人で決断しない
法的知識を身につける
- 特定商取引法の基本的な内容の理解
- クーリングオフ制度の活用方法
- 相談先の連絡先を控えておく
人間関係への配慮
- 勧誘を受けても相手を責めない
- 明確だが丁寧な断り方を心がける
- 関係修復の可能性を残す対応
最後に
ネットワークビジネスは法的には合法的なビジネスモデルですが、その構造的特徴により多くの問題を抱えています。最も重要なのは、あなた自身と大切な人たちを守ることです。
もし勧誘を受けた場合は、本記事で紹介した断り方を参考に、毅然とした態度で対応してください。そして、もしトラブルに巻き込まれてしまった場合は、一人で悩まず、専門機関に相談することを強くお勧めします。
あなたの人生と大切な人間関係を守るために、正しい知識と適切な判断力を身につけましょう。
安心できる情報源・相談窓口リスト
公的相談窓口
法的相談窓口
- 日本弁護士連合会:https://www.nichibenren.or.jp/
- 法テラス:https://www.houterasu.or.jp/
- 大阪弁護士会 総合法律相談センター:06-6364-1248
もし、人間関係の悩みや高額な負担などなく、本当に心から応援してくれるファンと共に、安定した継続収入をWebで築けるビジネスをお探しなら、「つながるファンビジネス」がお役に立てるかもしれません。