あなたの不安を解消!MLMとネズミ講の決定的な違い、教えます
「MLMはネズミ講と同じではないの?」
この疑問を持つ方は決して少なくありません。実際、過去の悪質な事例や断片的な情報によって、両者が混同されがちなのが現状です。
しかし、MLM(マルチレベルマーケティング)とネズミ講は、法的にも構造的にも全く異なるものです。一方は合法的なビジネスモデルとして認められ、もう一方は明確に禁止された違法行為なのです。
この記事では、両者の「合法・違法の境界線」を明確にし、あなたが正しい判断力を身につけられるよう、図解を交えながら分かりやすく解説します。

現代のSNSや仮想通貨を使った巧妙な勧誘手口、そして万一巻き込まれそうになった時の対処法まで、実践的な知識をお伝えします。
MLMとは?合法なネットワークビジネスの仕組み
MLMの定義と構造
MLM(マルチレベルマーケティング)は、特定商取引法において「連鎖販売取引」として定義された合法的なビジネスモデルです。最も重要な特徴は、実際の商品やサービスの流通が前提にあることです。
参加者は商品を購入・販売し、さらに新しい販売員を勧誘することで組織を拡大していきます。報酬は、自分の売上だけでなく、勧誘した人たちの売上の一部も受け取れる仕組みになっています。
連鎖販売取引とは?特商法による規制ポイント
特定商取引法がMLM(連鎖販売取引)に課している主な規制内容は以下の通りです。
- 書面交付義務:契約内容を明記した書面の交付が必須
- クーリングオフ:20日間の無条件解約権
- 不実告知の禁止:虚偽や誇大な説明の禁止
- 迷惑勧誘の禁止:しつこい勧誘や脅迫的な勧誘の禁止
- 中途解約権:90日以内の商品返品権
これらの法的枠組みがあることで、MLMの合法性が担保されています。
商品販売の実態と報酬の仕組み
【MLMの基本構造と商品流通】
MLMでは、参加者が実際に商品を購入・使用し、その商品を他の人に紹介・販売することで収益を得ます。ボーナスは以下の要素に基づいて発生します。
- 自己購入による個人売上
- 直接紹介した人の売上
- グループ全体の売上達成による団体ボーナス

重要なのは、すべての報酬が商品の流通量に基づいている点です。
合法とされる理由と注意すべきグレーゾーン
MLMが合法とされる根拠は主に2点です。
- 商品の存在と実際の流通があること
- 法規制を遵守していること
ただし、以下のような場合はグレーゾーンとなります。
- 商品の価値が不当に高く設定されている
- 商品販売よりも勧誘に重点が置かれている
- 法定の書面交付や説明義務を怠っている
ネズミ講とは?無限連鎖講が違法とされる理由
ネズミ講の定義と構造(図解)
ネズミ講は「無限連鎖講の防止に関する法律」で明確に禁止されている違法行為です。商品やサービスの実体がなく、金銭の受け渡しのみで成り立つ構造が特徴です。
【ネズミ講の構造と金銭の流れ】
無限連鎖防止法の概要と適用条件
無限連鎖防止法は、以下のような行為を禁止しています。
- 金品の拠出を条件として組織に加入させること
- 他の人を勧誘して組織に加入させることで利益が得られるとしてこうさせること
- 組織が無限に拡大することを前提とした構造であること
この法律の目的は、数学的に破綻が確実な構造から消費者を保護することです。
「商品がない」「金銭のみ」な構造が問題に
MLMとネズミ講の決定的な違いは、商品・サービスの存在です。ネズミ講では
- 実用的な商品やサービスが存在しない
- 新規会員からの登録料や会費が主な収益源
- 参加者が増え続けなければ破綻する構造
これにより、後から参加した人ほど損失を被る可能性が高くなります。
過去の摘発例とその理由(例:天下一家の会)
代表的なネズミ講の摘発事例として「天下一家の会」があります。この事件では
- 1万円の出資で組織に参加
- 2人を勧誘すれば144万円がもらえるという触れ込み
- 実際には商品の販売は行われず、新規参加者の出資金が上位者に配分
- 最終的に約120万人が被害に遭い、総被害額は約1,400億円

このように、商品の実体がない金銭配分システムは必ず破綻し、多くの被害者を生み出します。
MLMとネズミ講の違いを徹底比較
合法・違法の分かれ目は「商品」か「金銭」か
両者を見極める最も重要な判断基準は、実用的な商品やサービスが存在するかどうかです。
適用される法律の違い(特商法 vs 防止法)
- MLM:特定商取引法(連鎖販売取引として規制)
- ネズミ講:無限連鎖講の防止に関する法律(完全禁止)
収益構造・報酬体系の違い
MLMは商品の流通量に基づく報酬体系であるのに対し、ネズミ講は新規参加者からの金銭のみに依存します。
リスクと勧誘の特徴も比較
【表:合法/違法比較表】
項目 | MLM(合法) | ネズミ講(違法) |
---|---|---|
商品・サービス | 実用的な商品が存在 | 商品なし、または名目的 |
適用法律 | 特定商取引法 | 無限連鎖講防止法 |
収益源 | 商品の販売・流通 | 新規参加者の登録料のみ |
勧誘時の強調点 | 商品の価値・効果 | 簡単に稼げる・高配当 |
初期費用 | 商品購入代金 | 登録料・参加費 |
リスク | 人間関係悪化、在庫 | 金銭損失、逮捕・処罰 |
持続可能性 | 商品需要がある限り継続 | 数学的に必ず破綻 |
現代型MLM・ネズミ講の勧誘手口【SNS・仮想通貨編】
SNS・LINEグループによる最新の勧誘実例
現代の勧誘手口は、従来の対面型から大きく様変わりしています。
Instagram・X(旧Twitter)での手口
- 「副業で月収〇〇万円達成!」という投稿で注意を引く
- DMで「詳しい話を聞きませんか?」と個別アプローチ
- 豪華な生活をアピールする写真で憧れを演出
LINEグループでの手口
- 「限定30名の秘密グループにご招待」
- 「今だけ特別セミナーを無料開催」
- グループ内での成功体験談の共有で雰囲気作り

これらの手口に共通するのは、「限定性」「秘密性」「緊急性」を演出して判断力を鈍らせることです。
NFT・仮想通貨型のMLM/ネズミ講とは?
新しい技術を隠れ蓑にした事例も増加しています。
仮想通貨系の特徴
- 「AI自動売買で月利20%保証」
- 「限定NFTを保有すれば配当がもらえる」
- 「新しい仮想通貨の先行者利益を獲得」
これらは以下の点で危険です。
- 「絶対儲かる」「元本保証」などの不可能な約束
- 技術的な複雑さを利用した煙に巻く説明
- 実際の商品価値や技術的裏付けが不明確
クラウドソーシング・副業募集での事例
「在宅ワーク」や「副業」として募集され、実際にはMLMやネズミ講につながるケースも。
- 「スマホで簡単、月5万円の副業」
- 「紹介するだけで報酬GET」
- 「セミナー参加後に詳細説明」

面接や説明会の席で初めて勧誘の実態が明かされることが多く、既に時間を投資してしまった心理状態を利用されます。
人はなぜ騙される?マルチ商法と心理トリガー
Cialdiniの6原則とマルチの手口
心理学者ロバート・チャルディーニが提唱した「影響力の武器」は、マルチの勧誘でも巧妙に利用されています。
- 返報性:「特別に情報を教えてあげる」→お返しをしたくなる
- コミットメントと一貫性:「成功したいですよね?」→一度答えた以上一貫したくなる
- 社会的証明:「みんなやってます」→他人と同じことをしたくなる
- 好意:「あなたのことを思って」→好きな人の頼みを断りにくい
- 権威:「成功者の〇〇さんも推薦」→権威のある人を信用したくなる
- 希少性:「今日限り」「あと3名」→貴重なものを欲しくなる
「FOMO」「承認欲求」「一貫性バイアス」など
現代特有の心理的弱点も狙われます。
FOMO(Fear of Missing Out)
- 「乗り遅れたくない」心理を煽る
- 「今始めないと機会を逃す」という焦燥感
承認欲求
- 「成功者として認められたい」願望
- SNSでの「いいね」や注目への渇望
一貫性バイアス
- 一度決めたことを変更したくない心理
- 「最初にYESと言った以上、断りにくい」
心理的ブロックを張るための5つの心得
【心理トリガーの図解】
心理的ブロックを張るための5つの心得
- 即決しない:「検討する時間をください」を必ず言う
- 情報を疑う:「本当にそうですか?」と問い返す習慣
- 一人で決めない:信頼できる第三者に相談する
- 断る勇気:相手を傷つけることを恐れすぎない
- 自分の価値観を明確にする:何を大切にするかを事前に決めておく
データで見るMLMとネズミ講の実態
年間被害件数と推移(警察庁・消費者庁データ)
消費者庁の「消費者白書」によると、マルチ商法に関する相談件数は年間約1万件で推移しています。特に20代〜30代の若年層での被害が深刻化しており、SNSでの勧誘が主要な原因となっています。
収益の実態(平均収益 vs 費用)
アメリカのFTC(連邦取引委員会)の調査では、MLM参加者の約99%が損失を出しているという報告があります。日本でも同様の傾向が見られ、多くの参加者が商品購入費用やセミナー代を回収できずにいます。
年代別の被害傾向と勧誘されやすい層
被害に遭いやすい層の特徴
- 20-30代:SNSでの情報収集が多く、副業への関心が高い
- 40-50代:将来への不安から新しい収入源を求める
- 高齢者:孤独感や健康への不安を利用される
それぞれの年代で勧誘の手口や狙われるポイントが異なります。
巻き込まれたら?クーリングオフと相談手順
勧誘時の証拠保存と記録の取り方(スクショ例付き)
万一のトラブルに備えて、以下の証拠を保存しましょう。
保存すべき証拠の種類
- LINEやSNSでのやり取り(スクリーンショット)
- 勧誘時の会話(可能であれば録音)
- 契約書や説明資料
- セミナーの資料や名刺
- 支払いの記録(振込明細、レシートなど)
スクリーンショットの撮り方
- 日付と時間が分かるように全体を撮影
- 相手のアカウント名や連絡先も含める
- 複数枚に分かれる場合は順序が分かるように
クーリングオフの具体的なやり方
MLMの場合、契約書面を受け取ってから20日間はクーリングオフが可能です。
クーリングオフ通知書の書き方
クーリングオフ通知書
令和○年○月○日
株式会社○○○○
代表取締役○○○○様
私は、令和○年○月○日に貴社と締結した連鎖販売契約を
特定商取引法第40条の規定により解除いたします。
契約者氏名:○○○○
住所:〒000-0000 ○○県○○市○○町○-○-○
電話番号:000-0000-0000
○○○○(署名)
発送方法
- 特定記録郵便または簡易書留で送付
- 配達証明をつけるとより確実
- コピーを自分でも保管
消費生活センター/弁護士相談の流れと連絡先
消費生活センターへの相談
- 消費者ホットライン:188(いやや)
- 地域の消費生活センターでも対応
- 相談は無料で、平日9:00-17:00が基本
弁護士への相談が必要な場合
- 金額が大きい場合(数十万円以上)
- 相手が解約に応じない場合
- 詐欺や脅迫的な勧誘があった場合

各都道府県の弁護士会では、初回30分5,000円程度の法律相談を実施しています。
断り方テンプレート【友人・上司・SNS別】
よくある誘い文句とその切り返し方
「一緒に稼がない?」 →「今は本業に集中したいので」
「すごい話があるんだ」 →「面白そうですが、詳しい資料をもらえますか?」
「今だけのチャンス」 →「急ぐ話なら一度持ち帰って検討します」
「権利収入で自由になれる」 →「権利収入の仕組みを詳しく教えてください」
相手との関係を壊さない断り方例文
友人からの勧誘の場合: 「〇〇ちゃん、紹介してくれてありがとう。でも今回はパスするね。これからもよろしく!」
知人からの勧誘の場合: 「興味深いお話ですが、今は時期じゃないと思います。また何かあったら相談させてください」
しつこい勧誘の場合: 「お気持ちはありがたいのですが、はっきりお断りします。これ以上のお話は控えていただけますか」
今後誘われないための予防線の張り方
SNSでの設定
- DMを友達以外から受け取らない設定
- 投稿で「副業勧誘お断り」を明記
- 怪しいアカウントはブロック
明確な意思表示
- 「ネットワークビジネスには興味がない」と明言
- 「副業はやらない方針」と伝える
話題を変える技術
- 「ところで、最近どう?」
- 「それより、〇〇の話なんだけど」
Q&A:MLMとネズミ講に関するよくある疑問
MLMで捕まることはある?
合法なMLMに参加するだけでは捕まりません。ただし、以下の場合は罰則の対象となります。
- 虚偽の説明で勧誘した場合
- 脅迫的な勧誘を行った場合
- 法定の書面交付義務を怠った場合
- 実際はネズミ講なのにMLMと偽って勧誘した場合
合法なMLM会社はどこ?
特定の企業名を挙げるのではなく、健全なMLMを見極めるポイントで判断することが重要です。
- 実用的で適正価格の商品があるか
- 法定の書面をきちんと交付しているか
- 過度な勧誘を行っていないか
- 会社の実態と連絡先が明確か
最終的には、ご自身で十分に調査・検討することをお勧めします。
サムのLINEで相談するのも、アリです!
断ったら人間関係が壊れる?
適切な断り方をすれば、人間関係を維持できる可能性は十分あります。健全な関係であれば、一度の断りで関係が壊れることはありません。
もし勧誘を断ったことで関係が悪化するなら、その関係性自体を見直すきっかけになるかもしれません。真の友人関係は、ビジネスの勧誘によって左右されるものではないからです。
まとめ “商品か金か”で見極め、勧誘されても冷静に対応を
MLMとネズミ講の最も重要な違いは、「商品の実態と流通」にあります。実用的な商品が存在し、その販売によって報酬が発生するのがMLM、商品がなく金銭の受け渡しのみで成り立つのがネズミ講です。
現代社会では、SNSや仮想通貨を使った巧妙な勧誘手口が増加しています。「簡単に稼げる」「今だけ特別」といった甘い言葉に惑わされず、常に冷静な判断力を保つことが大切です。
万一勧誘を受けた場合は
- その場で決断しない
- 商品の実態を確認する
- 信頼できる人に相談する
- 必要に応じて消費生活センターに相談する
正しい知識と適切な相談窓口を活用して、あなた自身と大切な人を守ってください。お互いを尊重し合える健全な人間関係こそが、本当の豊かさをもたらすのです。
参考リンク
この記事が、あなたにとってMLMについて正しい理解を深め、適切な判断を行うための参考になれば幸いです。「つながるファンビジネス」では、今後もMLMに関する正確で実用的な情報を提供していきます。