「月100万円稼げる副業があるんだけど、話聞いてみない?」
「AI投資で確実に利益が出る方法を教えるよ」
もしかして今、こんなメッセージがスマホに届いていませんか?それとも、マッチングアプリで知り合った人から「いい投資話がある」と誘われているところでしょうか?
その話、99%の確率で「モノなしマルチ」です。
従来のマルチ商法のように化粧品や健康食品などの商品を販売するのではなく、投資話や副業ノウハウなど「形のないサービス」で勧誘する新しいタイプの悪質商法が、今20代〜30代の若者を中心に急速に広がっています。
この記事では、モノなしマルチの正体から具体的な対処法まで、被害に遭わないため、そして既に契約してしまった場合でも取り戻せる方法を詳しく解説していきます。

一人でも多くの方が被害から守られることを願っています。
モノなしマルチとは?

モノなしマルチとは、物品の販売を伴わない連鎖販売取引のことを指します。正式には「役務型マルチ商法」や「サービス型マルチ商法」と呼ばれており、特定商取引法で規制される悪質な商法の一つです。
従来のマルチ商法では化粧品や健康食品、浄水器などの具体的な商品を販売していましたが、モノなしマルチでは投資情報、副業ノウハウ、オンラインセミナー、コンサルティングサービスなど、形のないサービスを商材として扱います。
商品が目に見えないため被害者が気づきにくく、また「勉強代」「自己投資」として正当化されやすいという特徴があります。実際、多くの被害者が「騙されたわけではない、勉強になった」と思い込まされており、被害の深刻さに気づいていないケースが多数報告されています。
形のあるマルチとの違い
従来の商品販売型マルチ商法との最大の違いは、商材の「実体」にあります。
商品販売型マルチでは、たとえ高額でも化粧品や健康食品などの現物が手元に残ります。品質に問題があったり、効果が感じられなかったりした場合、「商品に不具合がある」として返品や返金を求めることが可能です。
一方、モノなしマルチで販売されるのは情報やノウハウ、権利といった無形のサービスです。「投資で必ず儲かる方法を教える」「副業で月収50万円稼げるシステムを提供する」といった謳い文句で勧誘されますが、実際には価値のない情報や、誰でもインターネットで調べられる程度の内容しか提供されません。
しかし「情報を聞いた以上、代金を返すことはできない」「あなたの努力が足りないから結果が出ない」といった理屈で返金を拒まれるケースがほとんどです。
比較項目 | 従来型マルチ商法 (商品販売型) |
モノなしマルチ (役務型) |
---|---|---|
取扱商材 | 化粧品、健康食品、浄水器、布団など有形の商品 | 投資情報、副業ノウハウ、コンサル、オンラインセミナーなど無形のサービス |
勧誘手法 | 「この商品を使って健康になった」 「友達に紹介してほしい」 |
「AI投資で必ず稼げる」 「副業で月100万円可能」 |
契約金額 | 数万円〜50万円程度 | 50万円〜500万円 (高額化傾向) |
被害の発覚 | 比較的早期 (商品の効果で判断可能) |
発覚が困難 (「学習不足」として正当化) |
返金の困難度 | 中程度 (商品の問題を指摘可能) |
非常に困難 (「情報は提供済み」と主張) |
主な被害者 | 30代〜50代女性 (知人の紹介が多い) |
20代〜30代男女 (SNS・アプリ経由が多い) |
法的対応 | 特定商取引法で規制 クーリング・オフ対象 |
特定商取引法で規制 クーリング・オフ対象 ※同じ法的保護あり |
役務型マルチ商法の仕組み(法的分類チャート)
モノなしマルチは法的には「役務提供誘引販売業」として特定商取引法第51条から第58条で規制されています。以下の3つの要件すべてに該当する場合、違法な連鎖販売取引となります。
要件1:役務の提供を行う業務 – 投資情報の提供、副業ノウハウの教授、コンサルティングサービスなど、何らかのサービスを提供する事業であること
要件2:再販売の利益について誤認させる – 「このシステムを他の人に紹介すれば紹介料がもらえる」「会員を増やせば不労所得が得られる」など、実際には困難な利益について確実に得られるかのように説明すること
要件3:特定負担を伴う取引 – 入会金、教材費、システム利用料など、何らかの金銭的負担を求めること
これらの要件に該当する取引は、たとえ勧誘者が「これはマルチ商法ではない」「合法的なビジネスだ」と説明していても、法的には連鎖販売取引として規制の対象になります。契約から20日以内であればクーリング・オフが可能で、条件によっては契約後でも取消や返金を求めることができます。
2025年最新・モノなしマルチの手口
モノなしマルチの勧誘手口は年々巧妙化しており、特に2024年から2025年にかけて、デジタル技術やAIブームを悪用した新しいパターンが急増しています。
現在最も多く報告されている手口を知ることで、実際に勧誘を受けた際の判断材料にしていただければと思います。「これくらいなら大丈夫」と油断せず、少しでも怪しいと感じたら距離を置くことが重要です。
🚨 2025年最新モノなしマルチ手口マップ
⚠️ 2025年の新傾向と対策
- ChatGPT等のAIツール悪用: 「AIが作った完璧な投資戦略」として信憑性を演出
- インフルエンサーなりすまし: 有名人の偽アカウントから勧誘メッセージ
- メタバース・NFT商法: 「次世代投資」として新技術を悪用した詐欺
- 即座に遮断: 金銭に関わる話が出た時点で連絡を完全に断つことが重要
SNS・マッチングアプリ経由
最も一般的な勧誘経路が、SNSやマッチングアプリを通じたアプローチです。
Instagram、Twitter(X)、TikTokなどで「副業で成功している」「投資で稼いでいる」といったライフスタイルを投稿している人から突然DMが届いたり、マッチングアプリで知り合った相手から「もっと深い話をしよう」とカフェに誘われたりするパターンが急増しています。
特に注意が必要なのは、最初から儲け話を持ちかけるのではなく、数週間から数ヶ月かけて信頼関係を築いてから勧誘に移行する「長期型アプローチ」です。デートを重ねたり、プライベートな悩みを聞いてくれたりした相手から勧誘されるため、「この人なら信頼できる」と思い込んでしまう被害者が多数います。
また、実際に高級車や高級マンションの写真を見せられ、「この投資方法で資産を築いた」と説明されるケースもありますが、これらの多くは借り物や他人の画像を流用したものです。SNS上の投稿も、実際の収入とは関係のない演出に過ぎません。
AI自動売買・暗号資産投資型
2025年現在最も多い手口が、AI技術や暗号資産(仮想通貨)投資を題材にしたものです。
「AIが自動で取引してくれるシステムがある」「独自開発したAIトレードツールで月利20%が確実」「新しい暗号資産に早期投資すれば100倍になる」といった謳い文句で勧誘されます。
実際には、システムと称するものは単なるデモ画面だったり、利益が出ているように見せかけた偽のデータだったりします。暗号資産投資の場合も、実在しない通貨への投資を求められたり、出金できない詐欺的な取引所を利用させられたりするケースが報告されています。
特に危険なのは「今だけ特別に参加費100万円が50万円になる」「先着10名限定」といった限定性を煽る手法です。冷静に考える時間を与えず、その場で契約を迫ってきます。
オンラインサロン・コンサル型
表向きは「起業支援」「キャリアアップ」「自己啓発」を謳いながら、実際には高額なコンサルティング契約や教材購入を求める手口も増加しています。
月額数万円のオンラインサロンに参加させ、そこで「さらに本格的に学びたい人だけに特別なコースを用意している」として数十万円から数百万円の契約を持ちかけます。
「成功者マインドを身につけるため」「本気で変わりたいなら投資が必要」といった精神論で正当化され、断ろうとすると「あなたには成功する覚悟がない」「このチャンスを逃したら一生後悔する」といった心理的圧迫を受けます。
また、著名な起業家や投資家の名前を無断で使用し、「○○さんも推薦している」「○○さんと同じ手法」といった虚偽の権威付けを行うケースも確認されています。
誘われた時の見抜き方と断り方

モノなしマルチの勧誘を受けた際、冷静に判断して適切に断ることができれば、被害を未然に防ぐことができます。
勧誘者は巧妙な話術と心理操作で契約に導こうとしますが、彼らが使う典型的なセリフやパターンを知っておくことで、騙されるリスクを大幅に減らすことが可能です。
典型的なセリフと心理操作
モノなしマルチの勧誘者が使う代表的なセリフには、以下のようなものがあります。
「今の時代、普通に働いていても豊かになれない」「将来に不安を感じているなら、今から準備しておいた方がいい」といった将来不安を煽る導入から始まり、「私も最初は半信半疑だったけど、実際に始めてみたら人生が変わった」「あなたにだけ特別に教える」といった特別感を演出します。
さらに「みんな最初は不安だけど、やってみれば必ず結果が出る」「成功している人はみんなリスクを取っている」といった成功体験の一般化や、「今決断しないと、この機会は二度とない」「迷っている時間がもったいない」といった緊急性の演出で判断力を鈍らせます。
また、契約を迷っていると「あなたのことを本気で成功させたいと思っているから話している」「友達だからこそ教えてあげたい」といった情に訴える手法や、「このシステムを疑うということは、私のことを信用していないということ?」といった人間関係を利用した圧迫も頻繁に使われます。
これらのセリフが出た時点で、間違いなく悪質な勧誘だと判断して構いません。
断るための安全なフレーズ集
モノなしマルチの勧誘を断る際は、相手に隙を与えないよう明確に意思表示することが重要です。
最も効果的なのは「特定商取引法で規制されている連鎖販売取引だと思うので、参加しません」「クーリング・オフの対象になる契約は一切しません」といった法的知識があることを示すフレーズです。
相手が「これは投資だからマルチじゃない」「合法的なビジネスだ」と主張してきた場合は、「投資話でも連鎖販売の仕組みがあれば規制対象です」「合法かどうかは私が判断します」とはっきり伝えましょう。
情に訴えてきた場合は「友達だからこそ、お金の話は持ち込まないでほしい」「本当に私のことを思っているなら、こんな話はしないはず」と切り返すことで、相手の論理を逆手に取ることができます。
どうしても断りにくい場合は「家族と相談してから決める」「弁護士に確認してから返事する」といって、その場での契約を避けることが最優先です。後日連絡すると約束して、実際にはそのまま連絡を断つことも、自分を守るためには必要な判断です。
【関連記事】ネットワークビジネス勧誘がうざい時の対処法【体験談+断り方】
契約してしまった時の即時対処法

もし勧誘に応じて契約書にサインしてしまったり、お金を支払ってしまったりした場合でも、諦める必要はありません。
特定商取引法では、連鎖販売取引について厳格な規制を設けており、適切な手続きを取ることで契約の取消や返金を求めることができます。ただし、これらの権利には期限があるため、一刻も早い対応が必要です。
20日以内のクーリング・オフ手順
契約から20日以内であれば、理由を問わずクーリング・オフが可能です。
まず重要なのは、契約日がいつなのかを正確に把握することです。クーリング・オフの期間は、契約書面を受け取った日から起算されます。契約書面を受け取っていない場合や、法定記載事項が不備な場合は、期間が進行していない可能性があります。
クーリング・オフは必ず書面で行う必要があります。電話やメールでの通知は法的効力がないため、後日「聞いていない」「確認できない」と言い逃れされるリスクがあります。
書面には、契約年月日、商品またはサービス名、契約金額、販売会社名、担当者名、そして「クーリング・オフします」という明確な意思表示を記載します。さらに、既に支払った金額がある場合は「○○円の返金を求めます」と明記することも重要です。
作成した書面は、普通郵便ではなく特定記録郵便または簡易書留で送付し、発送の記録を必ず残してください。可能であれば内容証明郵便を利用することで、より確実な証拠を残すことができます。
⏰ クーリング・オフ完全手順ガイド ⏰
契約書面を受け取った日から20日以内がクーリング・オフ期間です。
- 契約書面の受領日を正確に把握
- 法定記載事項の不備がないか確認
- 書面を受け取っていない場合は期間未進行
- 今日が何日目かをカレンダーで確認
手書きまたはパソコンで正式な書面を作成します。
普通郵便は証拠が残らないため、特定記録郵便または簡易書留を使用します。
- 通知書のコピーを必ず取って保管
- 郵便局で特定記録郵便または簡易書留で発送
- 内容証明郵便ならより確実(同じ文面3通作成)
- 受領証を大切に保管
クレジットカードで支払った場合は、支払停止の抗弁権を行使します。
- 販売業者とのトラブルの詳細
- クーリング・オフを行った旨
- 支払停止と返金を求める旨
- クレジット会社にも書面で通知
すべての証拠を整理・保管し、今後の対応に備えます。
- 契約書面のコピー
- クーリング・オフ通知書のコピー
- 郵便局の受領証
- 勧誘時の録音・メッセージのスクリーンショット
- 支払い関連の領収書・明細
🚨 緊急時の注意点
- 20日目当日でも間に合います: 郵便局の営業時間内に発送すれば有効
- 業者からの妨害: 「もう遅い」「返金できない」という連絡は無視
- 書面以外は無効: 電話やメールでの通知は法的効力なし
- 一人で悩まない: 消費者ホットライン188番で即座に相談
中途解約・取消権(法40条の2)の使い方
20日の期間を過ぎてしまった場合でも、中途解約権や取消権を行使できる可能性があります。
特定商取引法第40条の2では、統括者(運営会社)や勧誘者が虚偽の説明をしたり、重要な事実を故意に告げなかったりした場合、契約者は契約を取り消すことができると定めています。
具体的には「必ず利益が出る」「リスクはない」「元本保証」といった虚偽の説明があった場合や、「これは連鎖販売取引である」「クーリング・オフができる」といった重要事実を説明しなかった場合が該当します。
また、法第40条の3では、統括者や勧誘者が威迫や困惑させる行為を行った場合の取消権も規定されています。「今日決めないとチャンスを逃す」といった過度の圧迫や、長時間の勧誘、深夜の勧誘なども取消事由となります。
中途解約の場合は、将来に向かって契約を終了させることができ、一定の損害賠償金を支払った上で残りの債務を免れることができます。
通知書テンプレ&郵送方法
実際のクーリング・オフ通知書は、以下のような内容で作成します。
「通知書
株式会社○○ 代表取締役殿
私は、令和○年○月○日に貴社と締結した下記契約について、特定商取引法第40条に基づきクーリング・オフいたします。
契約年月日:令和○年○月○日
商品名:○○投資システム利用権
契約金額:○○万円
担当者:○○
つきましては、既にお支払いした○○万円の返金を求めます。
返金先:○○銀行○○支店 普通預金 口座番号○○ 口座名義○○
令和○年○月○日 住所 氏名 印」
この通知書を作成したら、コピーを必ず取って手元に保管してください。その上で、特定記録郵便または簡易書留で送付します。内容証明郵便を利用する場合は、同じ文面を3通作成し、1通を相手方に送付、1通を郵便局で保管、1通を自分で保管することになります。
発送後は、郵便局の受領証を大切に保管してください。これが法的にクーリング・オフの意思表示をした証拠となります。
金銭被害への対応(借金・クレカ)

モノなしマルチの契約では、現金一括払いではなく、クレジットカードの分割払いや消費者金融からの借入れでの支払いを求められることが多くあります。
このような場合でも、適切な手続きを取ることで支払いを停止したり、既に支払った金額の返金を受けたりすることが可能です。金融機関との関係で諦めてしまう人が多いのですが、法律で守られた権利があることを知っておくことが重要です。
支払停止の抗弁権の行使
クレジットカードで支払いをした場合、割賦販売法第30条の4に基づく「支払停止の抗弁権」を行使することができます。
これは、販売業者との間で問題が生じた場合に、クレジット会社への支払いを停止できる制度です。連鎖販売取引でクーリング・オフや契約取消をした場合、その理由をもってクレジット会社への支払いも停止することができます。
支払停止の抗弁権を行使するには、クレジット会社に対して書面で通知する必要があります。通知書には、販売業者とのトラブルの内容、契約取消やクーリング・オフを行った事実、そして支払停止を求める旨を明記します。
重要なのは、この権利は支払い済みの金額についても有効だということです。既に支払った分についても、返金を求めることができます。
ただし、支払停止の抗弁権には一定の制限があります。リボ払いの場合は4万円超、2回払い以上の分割払いの場合は4万円超かつ3回以上の分割という条件があります。また、通知は支払期限が到来する前に行う必要があります。
返金交渉のコツと注意点
返金交渉を行う際は、感情的にならず、法的根拠を明確にして交渉することが重要です。
まず、契約取消やクーリング・オフの根拠となる法令と条文を明示します。「特定商取引法第40条に基づくクーリング・オフ」「同法第40条の2に基づく契約取消」といった具体的な条文を示すことで、相手に法的義務があることを明確にします。
相手が「返金はできない」「規約に書いてある」といった理由で拒否してきた場合は、「法律に基づく権利は規約で制限できません」「特定商取引法は強行法規です」と回答します。
また、交渉の記録は必ず残してください。電話での交渉後は、話し合った内容を書面にまとめて相手方に送付し、「○月○日の電話での話し合いについて、以下の通り確認します」として記録を残します。
返金に応じない場合は、消費生活センターや弁護士への相談を検討することを伝えることも効果的です。「このまま返金に応じていただけない場合は、消費生活センターに相談させていただきます」といった予告をすることで、相手に真剣さを伝えることができます。
実際の相談事例(成功・失敗比較)
これまでに実際に相談を受けた事例を通じて、返金に成功するケースと失敗するケースの違いを見ていきましょう。
成功事例と失敗事例を比較することで、どのような対応が効果的なのか、また、どこでつまずきやすいのかを理解していただけると思います。
💰 返金成功 vs 失敗事例比較分析
✅ 成功要因
- 早期対応: 20日以内のクーリング・オフ
- 家族の協力: 恥ずかしがらずに相談
- 証拠保全: 契約書類の完全保管
- 適切な手続き: 書面での正式通知
- 専門家相談: 消費者センター活用
- 一貫した主張: 感情に流されない
❌ 失敗要因
- 対応遅延: 時間経過で証拠散逸
- 孤立無援: 一人で抱え込む
- 証拠不足: 書類紛失・記録なし
- 曖昧な対応: 電話のみで済ませる
- 自己責任感: 「自分が悪い」思考
- 業者逃亡: 会社解散で連絡不可
返金成功事例
事例1:大学生・120万円のAI投資システム被害
マッチングアプリで知り合った男性から「AI自動売買で月30万円稼げる」と勧誘され、消費者金融から借金をして120万円を支払った大学生の事例です。
契約から10日後に家族に相談して発覚し、すぐにクーリング・オフの手続きを行いました。業者は「すでにシステムを利用しているから返金できない」と主張しましたが、特定記録郵便でクーリング・オフ通知を送付し、同時に消費者金融にも支払停止の抗弁権を行使しました。
結果として、契約から15日後に全額返金され、消費者金融への借金も取り消されました。成功の要因は、早期の対応と適切な書面手続き、そして家族のサポートがあったことです。
事例2:会社員・300万円のコンサルティング契約被害
副業セミナーに参加後、「個別コンサルティングで年収を倍にする」として300万円の契約を結んだ会社員の事例です。
契約から25日経過してしまいクーリング・オフ期間を過ぎていましたが、勧誘時に「必ず年収が倍になる」「失敗した人はいない」といった虚偽説明があったため、法第40条の2に基づく契約取消を主張しました。
勧誘時の録音データと、同席していた友人の証言があったことが決め手となり、契約から2か月後に全額返金されました。虚偽説明の証拠があったことが成功の要因でした。
返金できなかったケースと理由
事例1:フリーター・80万円の投資情報商材被害
「確実に儲かる株式投資情報」として80万円を支払ったフリーターの事例です。
この事例では、被害者が「勉強になった」「情報は受け取った」として契約に納得していると主張されてしまいました。また、契約から半年以上経過してからの相談だったため、証拠となる資料も散逸していました。
さらに、業者が既に会社を解散しており、連絡が取れない状態になっていたことも返金が困難な理由でした。早期の対応と証拠保全の重要性を示すケースです。
事例2:主婦・150万円のオンラインサロン被害
友人からの紹介で参加した起業支援オンラインサロンで、150万円のコンサルティング契約を結んだ主婦の事例です。
この事例では、被害者が友人を庇いたいという気持ちから、「騙されたわけではない」「友人は悪くない」と主張し、法的手続きに消極的でした。また、夫に内緒で借金をしていたため、家族に相談することもできませんでした。
結果として、中途半端な交渉に終始し、業者から「本人が納得している」として返金を拒否され続けました。被害者の意識と家族のサポートの重要性を示すケースです。
被害を防ぐための行動チェックリスト
モノなしマルチの被害を防ぐためには、日頃から注意すべきポイントを頭に入れておくことが重要です。
以下のチェックリストを参考に、怪しい勧誘を見抜き、適切に対処してください。普段から意識しておくことで、いざという時に冷静な判断ができるようになります。
🛡️ モノなしマルチ被害防止チェックリスト
勧誘を受けた時のチェックポイント
- 「必ず稼げる」「確実に利益が出る」といった断定的な表現がないか
- 具体的なリスクや失敗例について説明があるか
- 契約書面の交付や重要事項の説明が適切に行われているか
- その場での即決を求められていないか
- 友人や知人からの紹介であっても、金銭的な利害関係がないか
契約前に確認すべき事項
- 会社の登記情報と実際の事業内容が一致しているか
- 特定商取引法に基づく表示が適切に行われているか
- 過去の行政処分歴や消費者トラブルがないか
- クーリング・オフや中途解約の条件が明記されているか
- 家族や信頼できる第三者に相談する時間があるか
SNSやマッチングアプリでの注意点
- プロフィール写真や投稿内容が作り込まれすぎていないか
- 高額商品を身につけている写真が多くないか
- 「副業」「投資」「権利収入」といったキーワードが頻出していないか
- 直接会う際は公共の場所を選び、一対一の状況を避けているか
- 個人情報や経済状況について詳しく聞かれていないか
これらのポイントに一つでも該当する場合は、詐欺的な勧誘である可能性が高いため、十分な注意が必要です。
相談窓口と無料診断サービス案内
モノなしマルチの被害に遭った場合や、怪しい勧誘を受けた場合は、一人で悩まず専門機関に相談することが重要です。
以下の相談窓口では、無料で専門的なアドバイスを受けることができます。「恥ずかしい」「自分が悪い」と思わず、積極的に相談してください。
消費者ホットライン(188番) 全国統一の消費者相談電話番号で、最寄りの消費生活センターにつながります。土日祝日も利用可能で、専門の相談員が対応してくれます。
国民生活センター 消費者トラブル全般について相談できる国の機関です。ウェブサイトでは類似事例や対処法についての情報も公開されています。
法テラス(0570-078374) 経済的に余裕がない場合は、法テラスで無料法律相談を利用できます。収入要件がありますが、多くの被害者が対象となります。
各都道府県の弁護士会 30分5,000円程度で法律相談を受けることができます。契約書の確認や返金交渉の方針について専門的なアドバイスを受けられます。
相談の際は、契約書、パンフレット、録音データ、メッセージのやり取りなど、関連する資料をできるだけ多く持参してください。また、相談前に時系列で経緯をまとめておくと、効率的な相談ができます。
❓ よくある質問 💡
モノなしマルチに関する疑問や不安にお答えします。該当する質問をクリックして詳細をご確認ください。
モノなしマルチ(役務型マルチ商法)は、化粧品や健康食品などの有形商品ではなく、投資情報や副業ノウハウなどの無形サービスを商材とする連鎖販売取引です。
主な違いは以下の通りです:
- 商材: 従来型は物品、モノなしは情報・サービス
- 被害の発覚: 物品なら効果で判断可能、サービスは「学習不足」として正当化される
- 返金の難易度: 「情報は提供済み」として返金拒否されやすい
明確かつ毅然とした態度で断ることが重要です。以下のフレーズが効果的です:
- 「特定商取引法で規制されている連鎖販売取引だと思うので参加しません」
- 「家族と相談してから決めます」
- 「友達だからこそ、お金の話は持ち込まないでほしい」
相手が押し切ろうとしても、「弁護士に確認してから返事する」と伝えれば、ほとんどの勧誘者は引き下がります。
諦める必要はありません。以下の方法で返金を求めることができます:
1. クーリング・オフ(契約から20日以内)
- 理由を問わず契約を取り消せます
- 必ず書面で通知(特定記録郵便推奨)
- 既払い金の返金を請求できます
2. 契約取消権(20日経過後でも可能)
- 虚偽説明があった場合(「必ず稼げる」など)
- 重要事実の不告知があった場合
- 威迫・困惑させる行為があった場合
感情的に否定せず、段階的なアプローチが効果的です:
Step 1: 信頼関係の維持
- まず話を最後まで聞く
- 「騙されている」「バカだ」などの言葉は避ける
- 家族の気持ちを理解する姿勢を示す
Step 2: 客観的情報の提供
- 類似事例や被害報告を静かに共有
- 契約書面の内容を一緒に確認
- 収支計算を客観的に行う
Step 3: 第三者への相談提案
- 消費生活センターでの相談を提案
- 可能であれば一緒に相談に行く
モノなしマルチは特定商取引法で規制される「役務提供誘引販売業」に該当し、以下の義務が課されています:
- 書面交付義務: 契約内容を記載した書面の交付
- 誇大広告の禁止: 「必ず稼げる」などの断定表現の禁止
- クーリング・オフ制度: 20日間の無条件解約権
- 不当な勧誘行為の禁止: 威迫や長時間勧誘の禁止
違反した場合の罰則:
- 業務停止命令(最大2年間)
- 業務改善指示
- 刑事罰(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)
金融機関への支払いも停止できます。適切な手続きを取ることが重要です:
クレジットカードの場合:
- 支払停止の抗弁権を行使(割賦販売法第30条の4)
- 4万円超の分割払い・リボ払いが対象
- 販売業者とのトラブルを理由に支払い停止可能
- 既払い金の返金も請求できる
消費者金融からの借入れの場合:
- 契約取消が認められれば返済義務が消滅する可能性
- 金融機関にも事情を書面で説明
- 返済停止と返金を求める
手続きの詳細は消費生活センターで相談できます。
🚨 まだ解決しない問題がありますか?
一人で悩まず、専門機関に相談することが解決への近道です。
相談は無料で、秘密も厳守されます。
まとめ:今すぐできる3つの行動
モノなしマルチは、従来のマルチ商法よりも巧妙で発見しにくい新しいタイプの悪質商法です。しかし、適切な知識と対処法を知っていれば、被害を防いだり、被害から回復したりすることは十分可能です。
今すぐできる3つの行動
1. 現在進行形で勧誘を受けている場合 – この記事の内容を参考に、すぐに断りの連絡を入れてください。「検討します」ではなく「参加しません」とはっきり伝えることが重要です。
2. 既に契約してしまっている場合 – 契約日から20日以内であれば、今すぐクーリング・オフの手続きを開始してください。20日を過ぎている場合でも、契約取消の可能性があるため消費者ホットラインに相談してください。
3. 周りに被害者がいる場合 – この記事の情報を共有し、一緒に対処法を検討してください。一人で悩まず、家族や友人、専門機関のサポートを受けることが解決への近道です。
モノなしマルチの被害は決して恥ずかしいことではありません。巧妙な手口で多くの人が騙されており、あなただけの問題ではないのです。諦めずに、適切な対処を行うことで、必ず解決への道筋が見えてきます。
一人でも多くの方がこの記事を参考に、モノなしマルチの被害から身を守り、既に被害に遭ってしまった場合でも適切な対処ができることを心から願っています。
安心できる情報源・相談窓口リスト
公的相談窓口
法的相談窓口
- 日本弁護士連合会:https://www.nichibenren.or.jp/
- 法テラス:https://www.houterasu.or.jp/
- 大阪弁護士会 総合法律相談センター:06-6364-1248
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